マッドマックス監督裏話。“Where must we go, we who wander this wasteland, in search of our better selves” 

  
“我々はどこへ向かうべきなのか

この荒廃した地をさまよい

より良い自分を求めながら”

普通なら観なかったかもしれない映画なのですが、かなり評判が良かったのと、ツイッターで見かけた「セッション」のフレッチャー先生とのマッドマックスのドラム隊コラgifが面白くて、興味が湧きまして、「マッドマックス 怒りのデスロード」観てきました。観れて良かったです、本当に。

そのgifがこちらです。(先程埋め込み許可をいただきました)

私、監督の以前の作品を映画館で子供達と観てます。

踊るペンギンのアニメ「ハッピーフィート」です(笑)。

観に行く前にある方から”ハッピーフィートと同じ監督なんだって。すごい振り幅!”、と教えていただき驚いていたのですが、マッドマックスを観ていてなんとなく、うなずけたりもしました。

ジョージ ミラー監督はどちらの作品も監督だけでなく脚本も書いているんですよね。

これらは全く違うような映画にみえて、どちらにも作品全体に流れるクレイジーな空気と社会の”常識”から突出して新たな歴史を築いていく主人公、という同じような設定でもあります。

「マッドマックス 怒りのデスロード」の最後、

“我々はどこへ向かうべきなのか

この荒廃した地をさまよい

より良い自分を求めながら” 

(字幕の訳はよく覚えていないので拙訳です。)

という言葉をエンディングで見た時、単純に楽しめるクレイジーな作品、というだけでなく最後を良いメッセージでまとめているんだなぁ、と感じました。

火を吹くギター

Logical reason for the Doof Warrior to have the flame shooting guitar. 

いくつか見たそんなインタビューの中でドゥーフウォーリアーのギターについて話しているものがあり、なかなか興味深いものでしたので、ここにメモを残しておきます。

  

ジョージ ミラー監督: 登場する全てのものが何かを再利用して作られた物になっている。

火炎放射ギターも同じで、病院のベッドで使う簡易トイレ(訳注: “bedpan” 平たいおまるのようなもの) を使って作られてる。

荒廃した地だからといって人間が愛着を持って、本質的に美しいもの作りあげる事には変わりない。アフリカの奥地の民族が何かとても美しいものを作るのと同じようにね。

記事抜粋: なぜギターが火を吹くか、全てに理由がある。

ミラー監督: ギターは病院の簡易トイレを利用して作られたもの。登場するものは誰がそれを拾ってもそれが地上に残された何を利用してできているかがわかるようにした。

ギターが火を吹くのはこれが彼の武器、火炎放射器ともなるためだ。

There is a logical reason that one of the bad guys has a flame-shooting guitar.What better to motivate Fury Road’s villainous army than a “rock rig” of musicians who ride alongside them and play decibel-shattering, adrenaline-pumping anthems? The back of the rig is occupied by four drummers, and the front is dominated by a guitarist — nicknamed the Doof Warrior — whose every heavy-metal lick is punctuated by flames shooting out of the top of his guitar neck. The only occasionally seen character is destined to be a fan favorite (and is already burning up Twitter), but Miller says he took a pretty grounded approach to conceiving that weapon of aural destruction: “You had to have something very loud [to compete with the noise of the battle], so he has this guitar — which is made from a hospital bedpan and a double-neck guitar — and he’s got to have a weapon, so it becomes a flame thrower. It all hopefully has some sort of logic.” And that logic applied to everything you’ll see onscreen, from the biggest vehicles to the tiniest props. “It got to a point where if I picked up a prop, the person who made that prop or the performer working with that prop had to tell me its backstory,” Miller said.

Source: The daily Beast 
イラストを送り続けたファンが共同脚本家に

Brendan MacCarthy , a fan who used to send his drawings to George Miller for many years became a co-writer of Mad Max Fury Road. 

  

こちらのインタビュー対談では脚本をミラー監督と共に、またストーリーボード(絵コンテ)も手掛けたブレンダン マッカーシー氏についてのお話しがとても興味深かったです。

中盤と後半で2度ほどマッカーシー氏について話されています。

監督によると「マッドマックス 怒りのデスロード」では脚本よりも視覚を重視し、3500枚のストーリーボードを「マッドマックスルーム」という部屋に張り出したそうです。笑

マッカーシー氏は長年マッドマックスのファンで監督に何年もマッドマックス関連のイラストを送り続けていたそうです。「彼は美しい絵を描くんだよね」

それで共同で本作の脚本を書こうと監督が持ちかけたそうです。

「自分は漫画家であって脚本家ではないのです💦」と言うマッカーシー氏に監督は「だからなんだ、私が書けるから。」と言ったそうです。

後半ではブレンダン マッカーシー氏の事を監督は素晴らしいグラフィックアーティスト、と呼んでいます。

「彼は大きな紙の端からみっしり影も光も描き込んでいく。まるでレーザープリンターのようにね。」、と絶賛する監督。

当初からさまざまな問題があり(9.11でドルの大暴落による予算の問題、撮影予定だった雨の降らない場所が大雨で冠水、乾くだろうと1年待てど砂漠にはならずお花畑のようになってしまったなど)、公開にいたるまで何年もかかった話は有名ですが、当初はマッカーシー氏は共同脚本家ではなく別の脚本家がいたそうです。でも彼がマッカーシー氏の事を「ただの漫画家じゃないか」、とバカにした事に対し怒った監督は彼を辞めさせマッカーシー氏を共同脚本家に迎え入れたそうです。

「ブレンダンはまるで僕の肩に乗った悪魔か天使のように常に僕に『がっかりさせないでくれよ』と言ってくるんだ。撮影中もね。先日の完成作を観た彼は『がっかりさせなかったね』と言ってくれたよ。」と監督。

インタビューアーもおっしゃってますがファンの夢が膨らむような出来事ですね。

監督の熱意だけでなく、才能に対する正当な評価も心を打ちます。
こちらの記事にはマッカーシー氏の話がもう少し詳細に載っていました。

マッカーシー: マッドマックス2を初めて映画館で観た時、僕は20歳くらいだった。1回目を観て、外に出てまたチケットを買い、続けて何度も観た。どうやってこんな驚愕の映画を作れたのかを知りたかったんだ。

それ以来、僕は監督に作品についての質問など手紙を送り続けたんだ。そして15年後、忘れられないあの日、オーストラリアではじめて監督に直接会う事ができたんだ。
監督と会えた時にはマッカーシー氏はイラストレーターとなっていてすでにいくつかの映画のストーリーボード(絵コンテ)も手掛けていたそうです。

  

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アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン 字幕に入りきれていなかった台詞メモ

 
アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロンがやっと日本でも公開になりました!

なぜかとてもダサい日本のアベンジャーズAoU広告やプロモーションに目を慣らされ,
いつの間にかダサいイメージまで心に浸透してきていた今日この頃でしたので、
アベンジャーズはやっぱりこんなにかっこいいんだよ!、と再確認することができました。

台詞の情報量が多いので吹き替え版をオススメする声をツイッターで見かけました。
確かに字幕の困難な文字制限のために
クスッと笑えるウィットにとんだ表現がはしょられている箇所もあるようにも感じました。
字幕の文字制限のためとはいえ、ウィットはアベンジャーズを構成している大きな要素なのでもったいないですね。

まだ字幕版を1度しか観に行けていないので

まだまだ逃がしている部分が多く、少しだけですが、
覚えている所だけでもメモを残しておきます。
字幕派の方には少しでも参考になるかもしれません。
実際の字幕自体もきちんとは覚えていないので、多分こんな字幕だったかな、という程度です。
全然違っているかもしれません(汗)。

字幕をよく覚えていらっしゃる方がいらっしらゃいましたらツイッターでもこちらのサイトのコメント欄でも教えていただけたらと思います。
英語を聞きながら字幕も見ているので自分の中で足りない部分が自然と補完されている事が多く、さらに自分ならこう訳すかな、というような事も瞬時に考えてしまうので、余計に字幕の記憶があいまいです。英語の元の台詞は結構印象に残っているのですがね。

ご覧になられた方はきっとああ、あのシーンか、とお分かりになると思いますのでおおよその目安程度に。
ちなみに吹き替え版で元の台詞がどう反映されているのかは全くわかりません。

吹き替え版が実際の台詞に近いように訳されていたのならそれはとても良いことだ思いますが、私はキャスト全員のうっとりするような声や話し方を聴きながら観たいです。そして訳されていない台詞の面白い箇所やニュアンスもたくさん発掘したい派です。
声の演技と言えば、今回新たに加わったクイックシルバー/ピエトロ役のアーロン・テイラー=ジョンソンの東欧なまりは本当に東欧出身の俳優さんなのかな、と思って観てましたが、彼はイギリス出身なんですよね〜!

彼の東欧なまりの “You didn’t see that coming? ” (見えなかった?) はとてもキュートですね。

  
また、ジャーヴィスの声を今まで演じてきたポール ベタニーがヴィジョンとなり、実際に演じたわけですが、ベタニーの立ち振る舞いも声も喋り方もなかなか素敵でしたね。

  

ここから先は映画の中の台詞に触れていくのでネタバレになります。
とはいえ、ちょっとしたネタ的な台詞中心ですので、大きくストーリーのネタバレにはなっていないと思います。

興味のある方は先に読んでおけば映画館で聞き取る事ができるかもしれませんね。

訳は個人的解釈とお考えください。

2015/07/18 2回目を観に行ってきました。また覚えている限りですが追記しました。

⭐️

マリア・ヒル:He’s fast, she ‘s weird.
字幕:マッハ男と、魔女。
直訳:彼は早くて、彼女は奇妙。
訳注:「魔女」とは言っていないんですよね。ワンダはスカーレット・ウィッチだからある意味、魔女ではあるのでしょうけれど。
weirdは一般的に「変」と言う意味で使われる事が多いので、ワンダの能力は超自然的で奇妙であるという意味もありつつ、マリア・ヒルの表情は「彼女は変。」 という意味が込められているように感じました。

⭐️

バナー: How’s he doing?

トニー: Unfortunately he’s sill Barton. 
バナー:That’s terrible. 

トニー: He’s fine. He’s thirsty. 

直訳:

バナー: 彼の容態は?

トニー: 残念だが、バートンのままだ。

バナー: それはひどい

トニー: 彼は大丈夫だ。喉が渇いてるだけだ。

訳注: 字幕は覚えてないのですが、バナー博士は話を聞いてるの? と思えるような意味不明なトニーとバナーの掛け合いが笑えます。

⭐️

トニー: We’ve got couple of days with this joystick. So let’s make most of it. 

直訳: 数日このジョイスティックを調べられるぞ。やれる限りやってみよう。

訳注: 「杖」と字幕には出ていたでしょうか。ここではトニーはロキの杖の事を”ジョイスティック”、って呼んでいます。

⭐️

トニー: …Turning brown instead of green…

直訳:
トニー: (バナーに向かって)ビーチでのんびり緑色にならずに小麦色になれるとしたら?

⭐️

ジャーヴィス:Enjoy yourself, sir. 

トニー: I always do. 

直訳:

ジャーヴィス:楽しんできてください。

トニー: いつもそうしてるよ。

⭐️

トニー: And he did a Banksy at the crime scene. 

字幕: (覚えていないのですが、バンクシーとは表記されてませんでした)

直訳: 犯行現場にバンクシーみたいな事までやっていきやがって。

訳注: バンクシーは有名な社会風刺的な皮肉を込めた作品を残す覆面のストリートアーティスト。

劇中では殺人をしておきながら 赤い字で”Peace”というメッセージが壁に残されているので、その対比がバンクシーの作品に例えられているのでしょう。

  

ガーディアンズ オブ ギャラクシーではスターロードがブラックライトで見ればジャクソン ポロックの絵画のようだぞ、とミラノ号内部の汚れ方を表現していましたが、こういうリファレンスはそこからメンションされていた芸術家に興味を持つきっかけを作ってくれたりするなかなか教養を深めるいいものだと思いますね。 🙂

( 詳しくは以前書いたこちらの記事に: 

スター・ロードのミラノ号拝見。 Visiting Star-Lord’s Spaceship Milano http://wp.me/p2YVy6-4b )

⭐️

バートン: I’ve done the whole mind control thing. Not a fan.
字幕: 経験済みだ。悪夢だ。

直訳: マインドコントロールは一通り経験済みだ。楽しいもんじゃない。

訳注: アベンジャーズ第1作目でロキにマインドコントロールされていたバートンですからね〜

⭐️

フューリー: Here we all are, with nothing but our wit and our will to save the world!

字幕: 我々には知恵と世界を守るという意思しか残されていない。

直訳: 我々にはウィットと世界を守るという意思しか残されていない。

訳注: witはどちらかというとウィット、機知、ちょっとひねくれたユーモアみたいな意味でフューリーは言っているのではないかと思えました。だって、あのフューリー長官がアベンジャーズには知恵がある、って言わなそう(笑)。
それにしてもロキが本編で登場しないながらもロキの杖にフォーカスが当てられていましたね。

オーディンソン兄弟の喧嘩が元で起こったニューヨークでの決戦のせいでアイアンマン3ではトニーが精神的に参ってたし、アベンジャーズAoUではまだ杖がキーとなっているし。ソーとロキにはしっかり反省して欲しいところです。

⭐️

トニー: Avengers, time to work for a living. 

字幕: (予告編では) アベンジャーズ、集結だ。

意訳: アベンジャーズ、仕事に出発だ。

訳注: “work for a living” は生活のために仕事をし、稼ぐことを指します。トニーはもちろんそんなこと思っていないのに彼らしいウィットにとんだ掛け声ですね。

追記分:

トニー: I just pay for everything and design everything, make everyone look cooler.
字幕: (金を出し、体裁をよくしてるだけだ。)
直訳: 私は全ての支払いとデザインを担当して皆がかっこよく見えるようにしてるだけだ。

ウルトロン:The most versatile substance on the planet and they used it to make a frisbee.
直訳:地球上で最も万能な物質を奴らはフリスビーを作るのに使った。(ヴィブラニウムでシールドを作っている事に言及し)

クイックシルバー: You know, I’m 12 minutes older than you.
直訳:12分お前より年上なんだぞ。

トニー: That man has no regard for lawn maintenance.
字幕: 芝生に思いやりのない男だ。
直訳: 芝生の手入れの大変さを知らない男だ。

ウルトロン: They are doomed.
直訳: 滅びゆく運命だ
ヴィジョン:Yes… but, thing isn’t beautiful because it lasts. 
直訳: そう。でも、永遠が美しさを与えるわけではない。

フューリー: You never know. You hope for the best, then make do with what you get.
直訳: わからないものだよ。上手くいく事を願って、あとは与えられた中でやってみるだけだ。
(こうなる事がわかっていたの?というナターシャの質問に対して)

エマニュエル ルベツキ撮影 ウィリアム デフォー主演のCM。Bold choices take you where you supposed to be. 

 

Inspiring ad with Willam Defoe. 

Beautifully shot by Emmanuel Lubezki. 

人生とは詰まるところ、選択が作り上げるもの。

間もなく あなたのした選択と、しなかった選択があなた自身を作り上げる。

(本物のデフォーの近くに座る老人のデフォー)

(サーカスの空中ブランコをする団員になっているデフォー)

しかし、どのあなたか?

(カメラは降下し、象のフンを掃除するデフォーが映される)

より良いあなたか

(チェスの大きな試合で勝つデフォー)

より悪いあなたか

(鏡を見るスキンヘッドのパフォーマーのようなデフォー)

(工場内を歩くデフォー)

あなたとは思えないようなあなたか

(デフォーには見えないような相撲の力士デフォー)

それらは様々な質問をあなた自身になげかける

(カール ラガーフェルドのような風貌でモデルに指示するデフォー)

それだけの力があるか

それだけの裁量があるか


どんな選択もどこかへは通じる

大胆な選択だけが

あなたがいるべき場所に繋がっている。

(停車しているニューヨーク行きとミルウォーキー行きのバス。ニューヨーク行きのバスに向かうデフォー)

****

ルベツキ氏撮影の美しい映像だけでなく、CMの内容も良く、インスパイアリングな作品です。

最近では「きっと、星のせいじゃない。」でなかなかいい味を出していたウィリアム デフォー。

日本で「きっと、星のせいじゃない。」はヒットしたのかな。ティーン向けとはいえ、若い主人公達だけでなく、彼らの親、友人、周りの人々、そしてデフォー演じる作家、それぞれの思いが伝わってくる大人が観てもとても良い作品だったと思います。

デフォーの出演作で私が一番好きなのは ヴィム ヴェンダース監督の「時の翼にのって〜Far Away So Close!」。彼は堕天使エミット フレスティEmit Flesti (Time Itself “時そのもの”を逆さにした名前) 演じています。