“この作品自体に光があると思う。” 映画Biutiful ビューティフルについてかたるイニャリトゥ監督

イニャリトゥ監督とハビエル・バルデム 映画「Biutiful ビューティフル」インタビュー訳:

「この作品自体に光があると思うんだ。そう努力したよ。タイトルが示すように、この暗闇の中にも美しさがある。この作品は人生そのもので、輝きそのもの。エンディングから見れば人生の記録なんだ。」

youtu.be/Q-SAcd54jO4

ハビエル・バルデム: いつもすごく思うんだけど、題材が良ければ上手くいくんだよね。
良い役柄で、脚本が良く出来ていていれば役柄のポイントは記されていて、それを追っていけばいいんだ。
映画の多くはそこまで良い題材でない事が多い。
その場合、僕たちは作品として成り立つくらいに、力強い人物像と物語を作り上げなければならない。
でも、本作は全てが脚本のページの上に描かれていた。
僕は描かれていた事を現実化し、この男がどんな男なのかを理解し、自分だったらどうするかを考えればよかった。
もちろん、その移行が難しいんだけど。

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督: 私は僕の代名詞にもなりつつあった多重線上の物語というものから抜け出せるものを探していた。
そのような作品を3作品作ったわけだけど、簡単に予想されてしまうようにはなりたくなかったんだ。
そこで私は1人の主人公、一つの視点、一本のまっすぐな線を持った作品を作ってみたいと思ったんだ。

バルデム: ヘビーな役であればあるほど、役を演じるプロセスはヘビーになると思うんだ。
本作でたくさんの事を学んだけれど、一番重要な事はフィクションと現実を分ける一線を引く事だと思う。(バルデムは他のインタビューで5カ月にもわたる間、この人物に毎日なりきっている事の大変さを語っていた。)

イニャリトゥ: とてもハードな道のりだったと思うよ。私はとても多くを求めるし、主題もキツイものだったし。彼(ハビエル)は私が自分が求めるものを撮れるまで30、40、50テイクでも撮り直す事を知っていたしね。

バルデム: 彼(イニャリトゥ監督)は核心に迫る演技を求める。
だから、“演技”をする余地は無いんだ。そこにその人物としてそこに居なければならない。
そこに実在する本人になりきらなければならない。
彼は僕達が本物に限りなく近づけるように全てに気を配っていた。

イニャリトゥ: 子供達はとても素晴らしかった。

バルデム: 子供達は上手に割り切っていた。
おもちゃで遊んでいて、演技をし、また遊んでいたおもちゃに戻る。
とてもうらやましかったよ。僕もそうできたらいいのに、って言ったよ。

イニャリトゥ: この作品自体に光があると思うんだ。そう努力したよ。
タイトルが示すように、この暗闇の中にも美しさがある。この作品は人生そのもので、輝きそのもの。
エンディングから見れば人生の記録なんだ。

バルデム: きちんと完成したこの映画を直視することはできなかったよ。
自分の顔ばっかりで。演技をしなければいられない、って僕はよく言うんだけど、それは自分の演技を観たい、というのとは全く別物なんだ。
僕は演技をしなければいられないから役者をやっているけど、それを観たいわけじゃないんだ。

おまけ

http://t.co/NCKBOOsO

(インタビュアー:普段、ボンドをやっていない時は物足りない、なんてことはないですか?)
ダニエル・クレイグ:『僕はいつでもボンドだよ。(真剣な顔)ボンドでない時なんてないよ。ehehehehe』

ハビエルのインタビュー動画をほとんど見尽くしたので、ダニエル クレイグのインタビューを流してました。
英国紳士はトム ヒドルストンのようにみんなeheheheと笑うのでしょうか?
かわいすぎますね。

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BBC 「グレアム・ノートン・ショー スカイフォール スペシャル」

祝 スカイフォール BAFTA8部門ノミネート

BBC 「グレアム・ノートン・ショー スカイフォール スペシャル」 ダニエル・クレイグ、ジュディ・デンチ、ハビエル・バルデム おもしろエピソード抜粋訳
(昨晩ツイートしたダニクレとジュディのものに加え、ハビエルのエピソードを追加)

The Graham Norton Show – S12x02 Part 1 – Daniel Craig, Judi Dench, Javier Bardem


《ダニエル・クレイグのオリンピック開会式での女王陛下と共演の時のエピソード》
(4:05~)
グレアム・ノートン:スカイフォール前にあなたを観たのはオリンピックで女王陛下と共演された時ですが、どれくらい前から企画されていたのですか?

ダニエル・クレイグ:結構前で、ダニー・ボイルがセットにいた僕を訪ねてきたんだ。彼は僕を座らせて(開会式で)何をやりたいかを僕に話してくれたんだけど、僕はそこからでてる時(4:25辺り。“何言っちゃってんの?”みたいなジェスチャー)って感じて、オリンピックの話は僕をからかってるのかと思ってたんだ。でも、実現し、次に気付いた時は宮殿にいたんだ。

グレアム:まさかそんな事できるわけない、って思われていたでしょう?

ダニエル:思わなかった、っていうか、僕は宮殿の方からはOKが出てないだろう、と思ってたんだけど、どうやら先に先方からOKをもらった上で、僕にオファーしてくれたらしいんだ。だから選択の余地はなかったよね。

グレアム:あなたが断ったりしてたら面白いですよねwww(会場爆笑)

オリンピック開会式のボンドと女王陛下動画The Queen Sequence – Opening Ceremony – London 2012 Olympic Games

《悪戯っ子たちを語るジュディ・デンチ》
(11:35~)
グレアム:ストーリーにはあまりふれないで、スカイフォールの話をしましょう。なんで観せてもらっちゃったんだろう・・・どうやってるんですか、みなさん何カ月も前から知ってるなんて。僕は観て1週間位がたちますが、死ぬほど大変ですね、ネタバレしない、というのは。
Mが射撃するのを命令するシーンを見てみましょう。

すごくいいですね。今日が初めてですか、このシーンを見るのは?

ジュディ・デンチ:いいえ。先週、ニューヨークで見たわ。

グレアム:実際に撮影している日には見れないわけですよね。

ジュディ:そうね。

グレアム:でも、何がどんな流れで起こっているかは検討がつくのですか?

ジュディ:それはそうよ。脚本を読んでればね。(会場笑)

グレアム:ご自分の責任者として役はお好きですか?

ジュディ:ええ、もちろんよ、とっても。イタズラっこたちに規律を守らせるは大好きよ。(会場、ダニエル 笑)

グラアム:いや、ホントに、イタズラばかりです。
(会場爆笑 ジュディ 笑い崩れる)

《ハビエル・バルデムの撮影初日のエピソード》
(12:48~)
グレアム:ハビエル、このお二人はボンド映画で確立された存在ですから、緊張しましたか?

ハビエル:そうだね。いろいろ彼らに関して恐ろしい事を聞いていたからやりたくなかったんだ。

グレアム:撮影初日らしい瞬間とかありましたか?

ハビエル・バルデム:僕のスカイフォールの最初のシーンはこの2人一緒のシーンで・・・

ダニエル:どのシーン?

ジュディ:(ダニエルにささやく)

ダニエル:ああ、ああ。

グレアム:あんまり細かく説明しちゃだめ!(会場 笑)

ハビエル:しないよ、しないよ。単純に言うと、2人は僕の事を見ていて、それで、僕は台詞を言って、

ダニエル、ジュディ:冷笑しながらね (笑)

ハビエル:2人がじーっと僕を見てて...Mとボンドが僕を見てるんだよね、ガラスの個室にいる僕を。僕は、はっとボンド映画の悪役で、ジェームス・ボンドの映画に出てる、って気が付いたんだ。そうしたら、台詞はすっかり頭から消えてしまってね。サムがそれに気が付いて笑いながら、僕のとこにきて「どうしたんだい?」って聞くから、「今、自分がボンド映画の悪役なんだ、って事に気が付いたんだよ」って答えたんだ。それからもう一度、役に集中し入り込み演じ始まったら、タンタラララーンタタタ タンタラララーンタタタって聞こえてきたんだ。なんだ?って思ってたらジュディの・・・

ダニエル:ジュディの携帯の着信音だったんだ。(会場 爆笑)
ジュディはずっと変えないんだよ。

ハビエル:ジュディは共演しながら音楽も担当してるなんてすごいかっこいいよね。(会場 笑)

訳 translation:@_pepper_potts
気さくで仲の良い雰囲気の3人がとても素敵でほほえましい番組でした。
ダニクレさんの笑いのこらえ方がとてもかわいいw

BAFTAは1月9日、英国アカデミー賞のノミネート作品を発表。『007/スカイフォール』は8部門でノミネート。受賞式は2月10とのことです。

英国作品賞
助演男優賞 ハビエル・バルデム
助演女優賞 ジュディ・デンチ
作曲賞 トーマス・ニューマン
撮影賞 ロジャー・ディーキンス
編集賞 スチュアート・ベアード
美術賞 デニス・ガスナー、アンナ・ピノック
音響賞 スチュワート・ウィルソン, スコット・ミラン、グレッグ・P・ラッセル、パール・ホルベルグ、カレン・ベイカー・ランダース