(3連続での準決勝進出、5試合で1セットも落とさずにきています。何が勝因でしょうか?)
ワウリンカ:メンタルだと思う。ジュネーブでの優勝から大きな自信をえることができた。ここ数か月、ベストの成績が残せてはいなかったりもしたけど、厳しい練習をしてはいたんだ。何度か勝利を重ねたら自信が回復してきた。今はコートにいるときの自分のメンタルの状態に満足しているよ。落ち着いて戦うことができてる。良いテニスができている要因はそこかな。
(ジュネーブの後、体の疲れはどうですか?)
大丈夫だよ。以前はグランドスラム1週間前には試合にはでなかったのだけど、ジュネーブでの大会が開催されるようになってから、家族や友人が来てくれる大会に出場しないのはもったいなく思えて。逆にジュネーブに出場するようになってからパリでも良いプレーができるようになったんだ。早くから全仏入りしなくなったおかげでプレッシャーを早くから感じることがなくなったのが理由だと思う。全仏に対してはジュニア時代にも優勝したし、クレーで育ってきたこともあって、強いプレッシャーを感じてしまうんだ。体の疲れの心配はもちろんしなければいけないけど、順調に準決勝まで進みうれしく思うよ。
(地理的にもホームに近く、優勝経験もある全仏は”ホーム”スラムのように感じますか?)
そうだね。そう感じられるかな。スイスは近いし、以前はパリに近いところに住んでもいたからね。家族や友人の多くも来てくれるし、クレーで育ったからクレーではベストのプレーをしたいと思うしね。
(マレーとは17回対戦経験があり、10-7です。しかしクレーでは1-3ですね。何が今回マレーとの対戦での鍵となりそうですか?)
試合の主導権をにぎること、リズムをつかみ、攻撃的にプレーすること。前回は彼がコート内でのプレイヤーだった。最初から最後までプレッシャーをかけ続け、自信に満ち、攻撃的に攻めてきた。僕はディフェンスにまわり、自分のプレーをしようと苦戦していた。明日の試合の鍵はどちらがコートの中にいるか、ということだろう。
(ノーマンコーチはあなたを”良い選手”から”素晴らしい選手”に変えたと思われますが、彼があなたに与えた変化は?)
間違えなく大きいよ。結果を見れば一目瞭然だよね。彼が来てから僕はトップ10に戻り、グランドスラムで優勝し、ここ4年トップ5にい続けてる。小さなディテールが大きな違いをコート上で生み出すんだ。彼と4年間やってこれたことをうれしく思っているよ。彼とともに他にもタイトルを取ることを願っている。
(3つのメジャータイトルを獲得してますが、テニス界でビッグ4というと、たいがいあなたは含まれていません。優勝回数でみるとアンディと変わらないくらいです。もし世界4位になった場合、我々はどうしたらよいと思いますか?くくりをビッグ5として、あなたを入れますか、それともマレーを外してあなたを入れましょうか?)
いやいや。僕にとってビッグ4は他のテニスプレーヤーたちと全くの別格なんだ。彼らは10~12年君臨し続けている。もちろん、将来彼らのうちからも成績が下がったりすることもあるだろう。若い選手も上がってくるだろう。でも、ビッグ4はいつまでたってもビッグ4であることには変わりないんだ。僕は自分のキャリアに満足してるし、いつまでもみんなは僕を変わりなく「スタン」と呼んでくれていい。
(あなたはSTAN THE MANと呼ばれ、あなたのTシャツはあなたの有名なポーズをモチーフにしてますね。あなたは頭がきれ、よくそれを我々に思い出させてくれるプレーもされます。でもほかのプレーヤーも賢いプレーをし始めてるようですよ。キキ・ムラデノビッチは試合後同じポーズをとってました。あなたに特許使用料を払わなければダメですよね。)
彼女にTシャツを送っておくよ(笑)。
(あのポーズはあなたのフィジカルのスキルだけでプレーをしていない、というプライドを表しているのでしょうか。)
そうだね。テニスではメンタルがとても重要だ。誰でもよいプレーをすることはできる。重要なのはどの瞬間にどんなプレーをするかなんだ。プレッシャーに潰されそうな時、冷静に落ち着いてすべき判断をし続けるする力だ。
(2年前、ここであなたが優勝した時、あなたのファッションが話題になりました。テニスのファッション史上、最高か最悪のファッションのひとつと思われます。多くの人があのハーフパンツに関しコメントしていました。決勝に進出したらあれをまたはいてもらえますか?)
まだ家にもいくつかあると思うけど、ここのミュージアムから取ってくることもできるよ。優勝後、ロッカールームから直接持っていかれちゃったんだ。僕はちょっと悲しかったよ。まるで「パンツは持っていていいから、ハーフパンツはミュージアム用によこせ」、っていう感じだった(笑)。
(全仏で優勝すると裸にされ服を奪われるとは我々も知りませんでした。名声とグランドスラムチャンピオンになることの代償ですね(笑))
この後、隣に座っているインタビュアーの方がスタンと2005年に全仏で対戦した時の事に触れるとスタンは良い思い出としてよく覚えていて、コート6か7で試合をしたこと、お互い予選通過者としての参加だったこと、相手の方がケガから復帰したてだったことなどを話します。これだけ試合をこなしていても2005年の事もよく覚えているのですね~。