ジェフ・ゴールドブラムの探究

ディズニー+とナショジオの共同制作の番組ではジェフ・ゴールドブラムが世界を探究しますが、ここではジェフ・ゴールドブラムを探究して知った事を少しシェアしていきたいと思います。

《意外だけど、ジェフの仕事に対する真面目な姿勢》

いくつかのインタビューでジェフは医師であったお父さんから学んだ仕事に対する真摯な姿勢について話してます。

(素晴らしいキャリアをお持ちです。野心家には見えませんが、そういうものはありましたか?)

ジェフ・ゴールドブラム: 野心と言うかはわからないけど、若い頃から「なんとしても俳優を生業にしたい」、という情熱に燃えていたんだ。僕は俳優という職業の悦びに満たされていた。ただ、クレイジーな思いであったし、その先どうなるかはわからなかった。

そのまっすぐな気持ちがキャリアに繋がったかはわからないけど、ただ、医師だった父親から学んだ仕事に対する真剣な姿勢は持ち続けてきた。

今でも、毎日ピアノも練習するし、するべき仕事をこなし、役に対しての準備も入念にする。毎朝、子供達を起こす前にトレーニングもするし、朝ごはんを出したり、学校に送って行ったりもする。

どうだろう。僕は結構仕事には真面目に一生懸命取り組む。そういう物事に対する姿勢がもしかしたら、役に立ってるのかもしれないかな?わからないけどね。

https://podcasts.apple.com/jp/podcast/jeff-goldblum-hugh-dennis-dawn-oporter-ben-foden/id1450650136?i=1000455697849

《『マイティ・ソー: バトルロイヤル』の役柄グランドマスターについて》

ジェフ: 何十億年も彼は生きてきて、人が行き来するのを見てきた。彼は人々を愛し、とても興味を持っている。また彼らと楽しむのが大好きだ。

スーパーパワーを持ち、不死である彼は、人がいずれは死にゆく事を知るが故にそれほど感傷的ではなく、利己的で自分の好きなようにしてるんだ。


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1:05あたりからのジェフのグランドマスターについての説明。こちらまで切なくなってくる。不死である事の辛さとそれを超えた部分まで理解して演じていたんだね。

Netflix『ル・ポールのドラァグ・レース』シーズン12のエピソード9はジェフ・ゴールドブラムがゲスト。

キルグレイヴのアクセント

ジェシカがジュエルという名前でヒーローやってた時の絵とテナントさん。ドラマ版ではヒーローを引退してからキルグレイヴと出会う。

キルグレイヴに関するメモ、再び。

このUSA TODAYの記事のテナントさんの言葉によると彼はキルグレイヴのイングリッシュアクセントには意図的に一貫性を持たせなかったというのとです。

デイヴィッド・テナント: (役を演じるにあたっての) イングリッシュ・アクセントの問題点はどのアクセントにしても、下層、中流、上流階級のどこかに属するニュアンスが出てしまうこと。

キルグレイヴに関しては、それがはっきりわからないようにしたかった。キルグレイヴがポッシュな上流階級の子だと思わせなくもなかったし、貧しい家庭の出とも思われないようにしたかった。

自分自身を作り上げた、自分を再構築した人間にしたかった。ドラマが進むにつれて彼の生い立ちがわかっていくのだけど、それまではできる限り謎に包んでおきたかったんだ。

“One of the problems with English accents is that every one of them has some kind of connotation of class, whether its lower, middle or upper. I wanted to do something that was a little bit indefinable, I suppose, with Kilgrave. You didn’t want to think he was a posh boy but neither did you want to know that he came from humble origins necessarily. You wanted to get the sense of someone who has created himself, who had rebooted his existence. As the series progresses, we do learn a little bit of his backstory and I wanted to keep that shrouded in mystery as long as I possibly could.”

https://www.usatoday.com/story/life/entertainthis/2015/11/19/david-tennant-jessica-jones-villain/76054446/

こちらの記事も合わせてどうぞ。

デイヴィッド・テナントの語るキルグレイヴ

テナントさんのキルグレイヴ学 Study of Kilgravism

テナントさんのキルグレイヴ学 Study of Kilgravism

https://getyarn.io/yarn-clip/bab2860b-6431-495c-8485-b7c7cfd6c529

リンクは音声付き↑

ジェシカ・ジョーンズで印象に残ってる台詞の1つ

Well, I’m sorry. Are you a professor of Kilgravism?

(キルグレイヴ学の教授なの?)

ということで、私もキルグレイヴ学を学ぶためにキルグレイヴに関するデイヴィッド・テナントさんのインタビューで内容の被らないものを訳してツイートしたりしています。

今日見つけたものはテナントさんの語る “キルグレイヴのいる世界” についてのお話と言えるかな。

もし

デイヴィッド・テナントの語るキルグレイヴ。

をまだ読まれていなければ先に上のリンクからそちらを読んでいただければと思います。

キルグレイヴの能力の使い道に関して被っている内容をほんの少しですが省きましたので。

(キルグレイヴが『ジェシカ・ジョーンズ』に本格的に登場するのは数話後からでしたが、どう感じましたか?)

デイヴィッド・テナント: ああいう積み重ねられた背景があってからの登場はなかなか良いものだね。ただその分、期待に応えられるか、という心配はあったよ。

良い脚本やジェシカの体験を通して描かれたという事、キルグレイヴの恐怖はジェシカ特有のものだった事やこのドラマ自体がジェシカの観点から見た物語だった事などのおかげで上手くいったよ。

数週間、クリステン達キャストの近くにはいたけれど、ちらっと見える影や紫色のスーツ姿、電話の声などだけの出演があっただけだった。だから本格的に登場する時には確かにプレッシャーがあったよ。

とはいえ、ファンタスティックなキャラクターで、並外れた人物で特別な世界の中で特別な場所を占める彼を演じるのはとてもやりがいがあったよ。

(とてもダークな心理を演じるためにどんなアプローチをしましたか)

キルグレイヴと他のスーパーヴィランとの違いは世界を支配したり、世界を揺るがすような事をやろうとはしてない点だ。彼は自分の能力をそういった目的では使わないという選択をしている。彼は単に自分の望む事の実現、ラグジュアリーな生活と彼に黙従する世界が欲しいだけ。それが余計にどこか邪悪に映る。そんな彼の世界に遭遇してしまったジェシカは物凄く不運だね。

彼は波風を立てたり、目立ちたくない。人々に邪魔されず、放っておいて欲しいと思っている。だから、本当に、彼の通り道に迷いこんでしまうという運命は残酷だと思う。

それがどこか余計にわかりやすく現実味がある。もし、現実世界に彼がいたとしても、実際に遭遇するまでは彼には気づかないのさ。

ジェシカ・ジョーンズの世界にはスーパーパワーを持った人物はいても、彼らは僕らとほとんど変わらない世界に存在しているんだ。

僕はアベンジャーズやアイアンマン、ファンタジーの世界やコミックの世界も大好きで魅力を感じる。けれど、キルグレイヴの世界は僕らのいる世界に近く、余計に邪悪さを感じるよね。ヒーロースーツなどが無いから僕らと同じ人間で、彼らが存在するのはどこか僕らのすぐそばにある世界だと感じ。余計に怖くゾッとするのだと思う。

彼の持つ能力は並外れたすごいものだけれど、彼にとってその能力がどんな意味を持ち、それがどんな心理をもたらすのかを出来る限り理解し、忠実に表そうとした。

街を支配しようとしたりしないからこそ、彼の思いは、何というか、より理解しやすいものだと思う。彼と同じ恐ろしい能力を持ったとしたら、人は彼と同じような事をしてしまいたくなるのではないかと思う。

現実味を持たせる事。それが僕が役者としてこの役を演じる上でやろうとしたこと。まあ、どんな役柄でもそうではあるけれど。

空想上の世界だけど、僕らのすぐそばにあるより残酷な世界。ウサギの巣穴に落ちてしまったらある世界のような感じかな。

続く…

続き 2010/8/22 追記

デイヴィッド・テナント: 役を演じる時には白か黒かどちらかでは考えないようにしている。

ドクターだって真っ直ぐなヒーローではなく、明確に定義するのは難しいアナーキーな面を持っているし、ブロードチャーチのハーディも正義の味方ではあるけど、気難しい人物ではあるよね。少なくともみんなに好かれるタイプではないよね、特に同僚には。

どんな役柄でもグレーの部分を探し、善か悪か2極化では表さないようにするわけだ。

キルグレイヴはかなり救いようの無い男だけど、演じる上ではそうは考えないよ。

少なくとも彼自身は自分が悪だとは思っていないから。彼がジェシカにした事をジェシカが責め立てる時、彼は驚くのだから。彼女が望んでいなかったとは思ってもみなかった事だったんだ。彼の世界観はとても歪められているから。誰もが彼の言う通りにするから、心から望んでしているのか、無理やりさせられているのか判断がつかないんだ。

自分は悪くないと信じている彼を演じるためには彼のその心理に入り込んで演じるしかない。

本気のキルグレ学。

『グッド・オーメンズ』シーンさんとテナントさんのお気に入り場面

podcastを聴いていたら、思わずメモしたくなるシーンさんの発言があったので。

https://podcasts.apple.com/jp/podcast/front-row/id134045372?i=100044008

(グッド・オーメンズでお二人のお気に入りの場面は?)

デイヴィッド・テナント: 僕ら2人ともエピソード3の冒頭のシークエンスが気に入ってると思う。(訳注: We という主語を使い2人分を代弁するテナントさん)

アジラフェルとクロウリーからみた世界の歴史が描かれているんだ。

(2人がいろんな時代で会うシークエンスですね)

DT: その通り。

エデンの園から始まって、ノアの箱舟、磔刑、フランス革命、歴史上の出来事を点々とね。何千年もの間に2人の関係が深まっていく様子が観れるんだ。

(お互いをサポートしたり、助け合ったりしてましたよね)

DT: その通り。

マイケル・シーン: あとね、個人的に僕は2人の関係、サブテキストに愛や絆なんかが汲み取れる瞬間が気に入っている。

言葉や表面には出されないし、2人とも否定するけれど、隠された部分が許されるギリギリまで表面化する場面が好きだね。

そういう場面をデイヴィッドと演じられた事ができてとても良かった。

バンドスタンドでの場面はいろいろな事がギリギリまで表面化する場面なんだけれど、楽しかったよ。

フレディが変えた世界。ブライアンとロジャーのインタビュー訳

ずっーと前から訳したいと思っていたインタビューです。

思うところがあって今日、合間に訳しました。

ロジャーが「何があっても彼に味方する。もう彼は自分をかばえないんだから」と言ったテレビ番組でのインタビューの後半部分です。

(前半部分は訳されている方がいらっしゃったようですので)

なかなか自分の納得できる言葉になっていない部分もあるのですが、能力不足です。ごめんなさい。先に謝っておきます。

8:10あたりからです。

(フレディの死がテレビや新聞などのセンセーショナルな追悼文だけで終わるとしたら残念すぎますよね。何かもっとあるべきですよね。)

ブライアン: もっともっとある。たくさん伝えるべき事もある。ここ数日で世界中からたくさんの愛が注がれているのを感じている。 フレディは世界を変えたし、彼の死も世界を変え始めたと思う。

まずこのボヘミアン・ラプソディのレコードは彼を追悼し、再リリースされる。全ての収益金はエイズのチャリティに寄付される。

ロジャー: このレコードは両A面で、もう一つの曲は (These are the) Days of Our Livesで僕たちが作った最後のミュージックビデオで、歌詞にも良い繋がりがあると思う。

(Show Must Go On という曲もありますが、やはり意図的にそういう意味が含まれていたのでしょうか?)

ブライアン: 振り返ると、ここ数年そう思える曲は多くあると思う。でも1つだけでなく、様々な意味合いが含まれてもいるんだ。

(彼が世界を変えた、というのは大げさでは、という人々もいると思いますが、どう答えますか?)

ブライアン: 1つの例を挙げれば、彼の存在がゲイである人々への人々の接し方を変えたという事だと思う。僕は本当にそうあって欲しいと思う。

彼の個人的な事だったから僕らにとっては今までは少し話題にしにくいことだった。

彼は強く、ものすごく才能があり、考えられるどんな面においても素晴らしく、そして彼はゲイである事もかなりオープンにはしていた。彼はゲイの人々への人々の考え方を変えたと思うよ。

それにもういい加減、時代は変わるべきだよね。

昨日新聞に ”誰々がゲイであることを認めた”、と書かれてるのを目にしたけれど、認めた、という表現をすること自体が中傷という罪を犯しているわけで、そんな事が何事もなかったかのように許させるのはおかしい。

僕たちはもう支援に回れるようになった。ゲイのためのヘテロ(同性愛者をサポートする異性愛者の意)とでも、何とでも呼ぶといいさ。

(バンドの仲間として、このような機会を何かポジティブな事に変換したいと思いませんか?)

ブライアン: たくさんのポジティブな事が起こっているよ。

ロジャー: 全くもってそれがフレディが望んだ事なんだよ。フレディは残された時間に自らの事を公表することがポジティブな何かに繋がる事を望んだんだ。僕たちもその意志を受け継いでいこうとしている。来年、彼の名前の元、何か大きなイベントを開催して多くの寄付を集めようと思っているんだ。

(リードヴォーカルにフレディなしのクイーンのパフォーマンスとなるわけですか?)

まあそうなるだろうね。

(どういう風にされるのですか?)

ブライアン: 詳しく考えてはないよ。僕たちはまだ悲しみの第1段階も乗り越えてないよ、想像できると思うけど。当面は今後の活動については棚上げして、今やらなければならない事をやろうと決めたんだ。

フレディは素晴らしいプラットフォームを残してくれたから、それを使ってエイズの基金を集められると考えている。多くの人にエイズを知ってもらうための啓蒙活動もできると思っている。今もこうして行っているようにね。

デイヴィッド・テナントの語るキルグレイヴ。

『グッド・オーメンズ』を観てから宿題をこなすようにデイヴィッド・テナントさんの作品を毎日観てます。

私はほぼ12thと11thドクターのシリーズしか観てなかったので、テナントさん演じる10thの『ドクター・フー』や『ブロードチャーチ』、さらには現在Dlifeで放送中のディズニーアニメ『ダックテイルズ』(テナントさんはスコティッシュアクセントを活かしたスクルージおじさんの声で出演)。

そしてわれらがNetflix制作のマーベルのドラマ『ジェシカ・ジョーンズ』。

『ジェシカ・ジョーンズ』でのテナントさんの役柄はかなりやばいサイコパスでしたが、愛おしくならずにはいられないキャラクターでした。特に9話を観た後には。

下記のキルグレイブという役柄についてのテナントさんの言葉を聞いたらさらにキルグレイブは愛さずにはいられないキャラクターとなりました。

(マインドコントロールできる役ですが、実際この能力を欲しいと思いますか?)

デイヴィッド・テナント: はじめは誰もがそう思うよね。周りの人々を従わせられる力。誰だって欲しいさ。

でもこの能力はその恵みと同じだけ呪いでもあるんだよ。

どうやって生きていけると思う?周りの人々の行為が心からのものなのかわからなかったり、普通の会話すらままならない日常。どうやって倫理観を手に入れられる?

(でも倫理観なんてヴィランには関係ないでしょう?)

彼は自分の事をヴィランとは思ってないよ。ヴィランと思われてる人物もほとんどは自分がヴィランだとは思っていないだろうし。

ドナルド・トランプだって自分がヴィランだとは思ってないだろう?(会場笑)

(訳注: 結構キルグレイブの本質に迫る話をしているけどちょっと司会者があまり真面目に受け止めてくれてないのを察して笑いもとったみたいに見えました。)

僕はね、彼は子供の頃から言葉にした事が実現されてしまう生活をしてきたから、何が正しいかそうでないかを学ぶすべがなかったのだと思う。

もちろん、彼は明らかに非難されるべき行いを犯している。けれど彼はそれすら理解できないんだ。彼は自分の能力の呪いに囚われた囚人なんだ。

2019/8/9 追記:

テナント: キルグレイブは世界的権力や国連を乗っ取る事や核ミサイル、もしくはアスガルド征服を望んでるような昔ながらのスーパーヴィランではないんだ。

何が恐ろしいかって、彼は自分の望む事を人にさせる事ができ、誰もそれを防ぐ手立てを持たないという事。

弁解の余地が無い彼を弁解すると、彼は自分が言ったから人がそうしてるのか、その人が自分で望んでそうしているのかの区別がつけられない。

彼が示唆するとそれは実現されてしまう。だから彼にとっては人が意に反して行動している事を理解するのはとても難しいんだ。

彼は自分の事だけを考えていて、普通の人間の事はよく理解出来ていないのではないかと思うし、人の気持ちを理解する事も出来ないのだと思う。

特に怖いのはたとえ、彼より強くても、彼より大型の銃を持っていたとしても、彼は心を支配し、全てのコントロールを奪ってしまうという点だよね。

僕自身は絶対遭遇したくはないね。

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テナントさんの出演する『ジェシカ・ジョーンズ』はシーズン1全話とシーズン2エピソード11です。

カタカナ表記について: Netflixの字幕ではキルグレイブなのでキルグレイブと打っていましたが、キルグレイヴの方が自然なので途中から変更しました。先に打ったものはそのままにしてあります。

キルグレイヴについてこちらも→

テナントさんのキルグレイヴ学 Study of Kilgravism

グッド・オーメンズ インタビュー訳

Amazon プライムで配信されている6話のドラマ「グッド・オーメンズ」。まんまとはまりました。

(一緒に仕事をするのは予想した通りでしたでしょうか?)
マイケル・シーン: そうだね。ずっと言ってるけど僕はデヴィッドの作品のファンだった。
デヴィッド・テナント:僕も同じさ。
マイケル: でも実際のところは共演してどうそれが作用していくかはわからなかった。僕たちは元々大きく違うわけでもなかったし。俳優としては同じような役柄を演じたりする。それが今回どちらも天使として生まれたという共通点にうまく作用してくれたんだと思う。こういう似た境遇という関係性は良いものではあるけれど、必ずうまく作用するとは限らないんだ。初めての読み合わせの時に「なるほど、デヴィッドの立ち位置はそこなのか、じゃあ僕はこちら側で」とダンスの役割のようなものをつかんだ。あとはリズムに任せて演じていったら息が合っていたんだ。ぴったり息が会っていたと思わない?
デヴィッド: 僕は予想した通りだったと思う。マイケルはクリエイティヴな俳優だから、こんな感じの演技をするんじゃないかな、と想像していたんだ。
マイケル:デヴィッドは照れてしまうかもしれないけど、前に“この役を演じる上で一番難しかった事は”と聞かれたことがある。
デヴィッドと共演しているときに彼の演技に「いや~、さすが上手いなあ」と見とれて自分の役を忘れないようにすることが一番大変だった。あと、すごく良かったのはね、ありきたりの表現かもしれないけれど、テニスのラリーのように相手からのボールを前後に打ち返し続けるような楽しさだったことだね。
中略


マイケル:アジラフェルとクロウリーはお互いをとてもよく補完しあう。僕たちが役柄になりきろうとすればするほど二人の関係はより良いものになっていったんだ。それがこの物語や二人の関係の原動力となった。
デヴィッド: それが直接物語に入りこんでいったよね。
マイケル: 僕は早い段階でアジラフェルはクロウリーを愛していると確信していたからより簡単だった。アジラフェルにとってはお互いは真逆の存在だし、クロウリーのやる事は認められないから難しいことなんだ。でもそれが逆に役者としては「この場面における自分の目標は、君を(デヴィッドの方を向いて)どれだけ愛しているかがばれないようにすること。そして君を切望するようにただ見つめる事」みたいに考えられたからね。

デヴィッド: クロウリーの方は完全にアジラフェルを愛している。でもその事実を彼は気に入らないし、苛立ってしまう。つまり二人とも同じような思いを経験してる。

マイケル: 素敵なラブストーリーみないなものがあるんだと思う。原作の多くのファンの多くもこの二人のキャラクターの興味深いラブストーリーが好きだと思う。はっきり書かれてはいないけれど、見て取れるよね。

中略

(今までに演じられた役でグッド・オーメンズでの役と似ている役柄はありますか?)

デヴィッド: いい質問だね。3日くらい前に教えてもらえていればしっかりとした回答ができたかもしれない。思い浮かぶのはピーター・ヴィンセントくらいかな。『フライトナイト』の。同じような格好をしてる。彼はロックな男で自分自身が本当にクールだと思っている。ホントは全くクールじゃないのにね。横暴っぽい外見だけど内面は優しんだ。クロウリーにもそういう部分があるよね。

(『フライトナイト』より)

みんなへ。1995年ディーキーからのファンクラブメンバーへの手紙

1995年3月9日にジョン・ディーコンがオフィシャル・インターナショナル・クイーン・ファンクラブの会報のために寄せた手紙をtwitterで見ました。他の手紙は見たことがありましたが、この手紙は初めて見ました。きっととっくに全訳も出てるのだろうと思いますが、自分でも訳したい衝動に駆られたので。

https://twitter.com/thisdayqueen/status/1104487862291087365

みんなへ

みんなが元気なこと、そして1995年がみんなに優しくしてくれてる事を願っています。Queenのレコーディングやミキシングは順調に進行中です。今年中に完成したものをリリースできれば、と思ってます。完成版に対しては、みんなからもさまざまな感想や意見がでてくるのではないかと思います。

ロジャー、ブライアン、そして僕自身にとってもなかなか簡単な作業とはなっていません。僕たちの中でも意見が違い、合意するまでに時間もかかってしまうのです。

とはいえ、ベストを尽くします。ベストを尽くす事が僕たちにできる最善のことだから。

Queen最後のアルバムがリリースされて良かった、意味があるものだった、と感じてもらえることを願っています。

ではまた

ジョン・リチャード・ディーコン

ブライアン・メイQ&A (2001年Queenコンベンション)

2001年のQueen コンベンションで会場から寄せられた質問とブライアン・メイの答えの中から個人的に興味深かった部分を抜粋て訳しました。

(フレディがいない中でのグレイテスト・ヒッツⅢを制作はどうでしたか?)1:35

心の中で綱渡りをしているようだった。僕らはみんな何度か(綱渡りの)ロープからも落ちてしまったと思う。グレイテスト・ヒッツⅢを制作中、何度も何度もフレディの声を聴くのはとても辛かった。形になり始まると大きな喜びもあった。スタジオでみんなでレコーディングしたかのように感じることもあった。実際には収録された曲はどれも一緒にレコーディングしたものではなく、ある瞬間瞬間をとらえたものを集めたものだ。

人々が過去の遺物の寄せ集めだと思わずに笑顔になり、楽しむことができる作品となってくれたことがとても嬉しいよ。僕ら自身は過去の遺物ではあるんだけどね。誇りに思える出来のとても好きなアルバムになった。

トラック13はお気に入りだよ。やったことのない試みだったから。フレディも気に入ってくれてたんじゃないかな。彼の声も何か所かに入っているからね。まあ、難しいプロジェクトではあったよ。

僕は自分の2つ目のソロアルバムの制作にとりかかるつもりだったが、結局約2年半、グレイテスト・ヒッツⅢにかかった。その後に再開したソロアルバムの内容にも影響し、当初考えていた内容より大きく変わったものに仕上がった思う。とはいえ、そう変わる運命だったんだろうね。

(もしフレディがが今も健在だったとしたら、クイーンの音楽はどんな方向へいっていたでしょう?)8:52

ブライアン:なんて難しい質問なんだ。まず、フレディが今もここにいたらクイーンは今も活動を続けていただろうね。どんなに困難があってもクイーンとして活動するという事は価値がある事だからね。ソロの活動もしてるだろうけど、時々集まってクイーンとしても活動していたのは絶対だね。どんな方向に向かっていったか、は全く想像がつかないね。クイーンはまっすぐに一つの道に向かうことはなかったから。同じことを繰り返さなかった事は誇りに思ってるくらいさ。

変わった新しい事を試していただろうと思うよ。僕たちは世界が僕たちに望んでいるのかをわかってはいたけど、望まれてる形にはなりたくなかったんだ。きっと流行の音楽とは一線を画す面白いものを作っていたと思うよ。

(私と結婚してくれませんか?)13:00

ブライアン:慎重に答えなければならないね。こんな質問をもらえるなんてありがたいね。心の底からお礼を言うよ。でも、本当の僕を知っていたら、僕と結婚したいなんて思わないかもしれないよ。離婚歴あり。どうなるだろうね。

(クイーンのメンバーとして活動するより、ソロで活動する方が満足感や喜びが大きいですか?)15:22

ブライアン:良い質問ばかりだね。自分のやりたいことをやれるのは楽しいし、夢のようにありがたいことだ。

でも、ジョン・レノンが言っていたように、部屋を見まわし、そこにみんながいてくれたら、と思う事があるよ。バランスが重要だよね。今もクイーンが活動を続けていて、自分がそういうバランスをとれていたらよかった。僕たちはお互いが作用しあい素晴らしいものを作り上げていた。それが恋しい。それが恋しいととてもよく考えてる事を認めるよ。ソロ活動も良いけれど、他の3人とともにスタジオに入って行けてたら最高だったろうな。ソロでもクイーンでも素晴らしい経験をさせてもらった。

(ツアーに必ず持っていくものはありますか?)22:35

昔はあったけど、今はないよ。子供っぽかったんじゃないかな。今は現地の食べ物を楽しもうと思っている。以前は子供たちもHPのベイクドビーンズやトマトスープなんて持って行ってたけど、今は行った先の食べ物を食べるね。ツアーの時は1つのスーツケースにもしもの時のための薬やビスケット、チョコレートとかを持って行っていたよ。人生は新しい体験のためにある。オープンでいないと新しい体験はできないよね。ひとつだけ必ず持って行くものがある。片頭痛の薬。

(できなかった事で後悔していることは?)25:24

オリジナルに欠ける答えを言うこともできるね。アルベルト・アインシュタインの答えを知ってる? アインシュタインは「あなたは輝かしい功績を残されていますが、何か後悔していることはあるますか?」と聞かれ、「1人の女性と生涯を添い遂げたかった」と答えたんだ。僕もそうできたらよかったと思う。人生が崩れていくような事を経験せずに済んだだろうし、そのことを誇りにも思えていたんじゃないかな。
後悔している事か…そうだな、20代のうちに自分の恐れと対峙していたら良かったと思うね。最悪の状況を潜り抜けた今、より良い人間になれたと感じる。もっと早く恐れと向き合えていたらいろいろなこと、人間関係とか、もっとうまくいっていただろうと思うね。とは言っても、これも運命だよね。今はここに辿り着いたことをありがたく思う。

(あなたの作った曲の中で、あなた自身を最も表している曲は?)26:55

答えられないね。なぜならどの曲も当てはまるから。曲を作るにあたって、僕は常にありのままの気持ちを表してきたんだ。時にはあまりにも率直になりすぎたこともあった。だからどの曲にも僕自身が大きくと投影されている部分がある。曲によって度合いが違うけれど、常に自分自身を投じてきた。

(ロジャーが3人でまたレコーディングすることがあるかもしれない、とほのめかしていたようですが、あり得るのでしょうか?)41:01

あり得ることだと思うよ。いつ、どこで、確実にありえるのかどうかはわからないけれど。できたらいいな、とは思う。みんなもそう思うかな?

 

<おまけ>

今日3月9日にちなみ、スターマス フェスティバルという天文学、宇宙探査、音楽、芸術などを祝うイベントで披露された ‘39。

ブライアンによる曲紹介の日本語訳を。

 

ブライアン: この曲は1976年頃僕が書いた曲で、当時僕は人類が宇宙へ進出し、ひろがっていくことはよいアイデアだと思っていました。今は、この地球で人間が行ってきた酷いことを思うと自信は持てません。この曲は宇宙船についての曲で、ここにきているみなさんにはアインシュタインの一般相対性理論における時間の遅れについてご説明する必要はないですよね?

(会場から必要とする声)

え、必要なの?

大まかにいうと、光の速さに近いスピードで宇宙へ長旅をすると距離にはひずみが生まれ、さらには自分と地球にいる人々の間で流れる時間が変わってしまうわけです。なので、僕たち宇宙飛行士が新たな天地を求め、光の速さに近い速さで宇宙へ行ったとすると、戻ってきた時には、自分たちには1年位しか感じられなくても。地球では100年が過ぎてしまっているということがあり得るのです。僕は戻ってきたときに、タイムトラベルをしたかのように愛する人々がすでにいなくなっていたとしたら、どんな気持ちになるのだろう、と思いました。この曲を聴きながら、そんな事に思いをはせていただけたらと思います。

****

No One But You/Queen メイキング日本語訳

 

ロジャー・テイラー: ブライアンがテープをくれたんだけど、聴くのをすっかり忘れてしまっていて

ブライアン・メイ: 忙しかったようでロジャーは渡したテープを引き出しかどこかにしまってしまい、何か月もたってから僕に興奮しながら電話してきたんだ。「今、曲を聴いたんだけど、素晴らしいじゃないか、クイーンの曲としてやろう!」とね。

ロジャー: それで再集結したら以前と変わらないケミストリーを感じたね。もう一度ブライアンとジョンと演奏できてとてもとても楽しかったよ。

ブライアン: ダイアナ妃が亡くなったばかりの頃で、ロジャーにはフレディ、ダイアナ妃、ジャンニ・ヴェルサーチの事にも思えたそうだ。彼はこの曲を発表することには重要な意味があると確信があり、クイーンの曲としてやらなければいけない、と言ったんだ。

ブライアン: とてもシンプルなセットを準備した。意図的にセットに見えないようにしたんだ。僕らがスタジオかリハーサルの部屋で曲を練習しているようなテーマにしたんだ。観客のためでなく、リラックスしてお互いのためだけに演奏している僕たちだ。

中略

ブライアン: クイーンのビデオ撮影ならフレディはピアノに向かい、紙コップやいろんな物が ピアノの上に置かれていて、フレディは飲んだりしていただろう。コンサートだとシャンペンが入ったグラスが置かれていて、「Cheers, darlings(ダーリンたち、乾杯)」とか言ったものだよね。

カメラの視点は常にセットの中を動き続け、歩きながら見てまわっているように撮影した。

僕の周りに来たり、ロジャーやジョンの周りに行ったりね。

普通ビデオを撮影するときは固定のカメラがいくつかの位置にあるだけだけど、

このビデオの視点はまるで、ブラブラと歩き回ってる誰かの目線で、

まるで、まるで訪ずれてきた誰かのようにね。

(3:36~のあたりです。ブライアンがSo, maybe you are … May be you are a visitor. と言う部分、So may be you are…で声が詰まるブライアン。 Freddie と心の中で言っているように感じました。)

ロジャー: 僕らは常にいつもフレディが近くにいるように感じるんだ。長いこと一緒にいたから、どんな時にどんなことをするか、何を言われるかも想像がつく。「やめろよ、バカげてる」とかね。だから撮影中はそんな事を感じていたね。


ミュージックビデオは上からカメラが下りてきてブライアン、ジョン、ロジャーの周りをゆっくりと動く。フレディが3人の周りを歩いているように撮影されていたのですね。

そしてブライアンの弾くピアノの上にあるシャンパンはフレディがグラスを持ち上げて

“Cheers, darlings. ”

と言ってくれるかな、という思いが込められていたとは。

😢

 これがクイーン3人にとっての本当の追悼の曲となったのではないかな、と思いました。

白黒で天使の視点から見せるような映像はヴィム・ヴェンダース監督の『ベルリン・天使の詩』や『時の翼にのって / ファラウェイ・ソー・クロース!』を彷彿とさせます。