ほんの少しだけ前向きな気持ちや希望を増やすだけで十分だということ - ベン・プラット

トロント国際映画祭での『ディア・エヴァン・ハンセン』のキャストのお話メモです。

まだ映画をご覧になられてない方にはネタバレがあると思いますのでご注意ください。

キャストの方々が演じながらどの曲にも心を動かされ泣いてた、と涙目で語る姿は、すごく微笑ましいし、とても大切に思ってる作品なんだということが伝わってきます。

最後のベン・プラットの言葉は私も日々の生活に役立てたいと思いました。

司会: 1番自分を表現している、自分との繋がりを感じるのはどの曲ですか?

ダニー・ピノ: ベン・プラットが歌う曲全て。
最初の音が聴こえた瞬間から僕の体内の水分量が減ってくんだよね。涙があふれてきて。

“Sincerely Me” は全てを持ち上げてくれる。高校生活って楽しいはずだよね!って。でも彼らの心の状態を思うと胸が痛くて(涙目)…

“So Big /So Small” には打ちのめされる(涙目)。僕は劇場からヨロヨロと出てくるくらいだ。


司会: どうやって本作で演技をこなせたのですか?😂

ダニー・ピノ: 大変だったよ。そしてね、コルトンが歌う希望。コナーに何が起こるかを知ってると…(涙目) 耐えるのがホント大変だったよ。

でも、もし僕に最も影響を与えた曲を選ぶとしたら、映画の中では使われてなかった曲、“To Break in a Glove” だね。

ブロードウェイ版では使われている曲。映画では使われなかったけれど、ベンとのあのグローブのシーンのために覚えたんだ。息子とキャッチボールすることができなかったということを考えると(涙目) …僕にも2人息子がいるしね…あのシーンを心から理解し、演じるためにはこの曲を覚えなければならないと思ったんだ。あのシーンのためには必要だと思ったんだ。

誰も聴くことがないけれど、僕の中に生き続ける曲だ。長くなってしまったけど、それが僕の答えかな。

エイミー・アダムス: “So Big/ So Small” ね。私も母親だから。舞台で観た時は、人前で泣いているのを見られるのが嫌だからずっと涙をこらえていたのだけど、あの曲が始まったら…もうみんなひどいと思ったわ。とても美しく、胸を突き刺されたような気持ちになったわ。

映画版の中の曲なら “For Forever” ね。あの曲の撮影中3日間、私はずっと泣いてたとみんな証言すると思う。

シンシアにとってあの曲はどれだけ大切な意味があったのかと想像するの。ベンの歌声も素晴らしかったし。ほら、また涙が出てきちゃった。自分の理想の友達を想像しているエヴァンは同時に私に息子を取り戻してくれているという、とても深く美しい希望の瞬間だから。

コルトン・ライアン: 良い曲だから”Waving” が好き。エイミー・アダムスと初めて会った時の曲でもあるんだ。

初めての読み合わせの時、向かい側のテーブルにエイミーがいて、僕はボロボロ泣いてたから、見られないように顔を伏せてたんだ。そしたらエイミーが「大丈夫よ、私もだから」と声をかけてくれて僕らはギュッとハグしたんだ。エイミー・アダムスは僕のヒーローだ。

ジュリアン・ムーア: So Big/ So Small には自然に感情移入してしまうわ。最高の母親の歌だから。絶対に、何があってもそばにいる、と子供に言えるなんて、本当に素晴らしいこと。とても心に響くモノローグのような曲ね。

あと、”If I could Tell Her” も私の娘が1番好きな曲だから好き。娘は19歳なんだれど、その年代の子にとって、心から愛している、と男の子が女の子に伝える姿は心を打つものがあるみたい。まるで自分の存在を見てもらえてる気がするように。娘があの曲を聴くときに私に向ける表情に私は感動するの。

司会者: 最後にベンとスティーブン。1番心を動かされる曲はどの曲ですか?

ベン・プラット: 何年もこのミュージカルにかかわってきて、どの曲も僕の身体に染み込んでいる。で

も、この映画化で新たな発見があったのは コナーが最後に歌う ”A Little Closer”だね。僕自身も不安に襲われることも多く、なかなか克服できないんだよね。あの曲の歌う希望はなんというか、画期的だと思う。大きな一歩や、ジャンプしなければいけないのではなく、ほんの少しだけ前向きな気持ちや希望を増やすだけで十分だ、ということ。あの曲に出会ってからは、苦しい時はあの曲を思い出してる。

ダニーも言っていたように、希望を持てなくなってしまったコナーがそういうメッセージを歌う事ができていた、そして残された人々にもそんなメッセージを与える事ができるのは物凄くパワフルなことだと思うんだ。舞台と映画版の違いの中で、最も好きなものの1つだ。コルトンがとても、とても美しく歌ってくれてるしね。

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