ギレルモ・デル・トロ監督の新作 『シェイプ・オブ・ウォーター』。
IndieWire にイニャリトゥ監督のコメント掲載された文章の日本語訳です。
何年も前にギレルモは大きな目を輝かせて彼がずっと考えている次回作について僕に話してくれた。
喋れない女性(訳:注muteとは聞こえるけれど喋れない状態を表す)と半魚人のラブストーリー。
僕はこのようなアイデアはギレルモにしか浮かばないだけでなく、彼のようなアーティスト以外誰にも作ることができないものだと思った。そして、そのアイデアにとてもワクワクしたのと同時にその作品が彼の1番の傑作になる事もわかっていた。
『シェイプ・オブ・ウォーター』はギレルモが作り、監督しなければ存在しえない作品の良い例だ。
昔ギレルモが、
”水の中にいない時、自分は世界にとって半魚人のように正体不明の怪物のような存在だと感じることがある”
と教えてくれたのを覚えている。
『シェイプ・オブ・ウォーター』は愛に宛てたラブレターであり、映画への愛の宣言でもある。
ギレルモは怪物の出てくるお伽話の概念を変えた。
なぜなら怪物もお姫様も変わる必要がないのだから。
本当の変化はありのままの相手を愛し、受け入れることによってお互いの心の中に起こるだけだ。
『シェイプ・オブ・ウォーター』は村上春樹の文学にあるようなファンタジーの喜び、また僕たちの現実の中に存在する奇跡だ。
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