『グッド・オーメンズ』シーンさんとテナントさんのお気に入り場面

podcastを聴いていたら、思わずメモしたくなるシーンさんの発言があったので。

https://podcasts.apple.com/jp/podcast/front-row/id134045372?i=100044008

(グッド・オーメンズでお二人のお気に入りの場面は?)

デイヴィッド・テナント: 僕ら2人ともエピソード3の冒頭のシークエンスが気に入ってると思う。(訳注: We という主語を使い2人分を代弁するテナントさん)

アジラフェルとクロウリーからみた世界の歴史が描かれているんだ。

(2人がいろんな時代で会うシークエンスですね)

DT: その通り。

エデンの園から始まって、ノアの箱舟、磔刑、フランス革命、歴史上の出来事を点々とね。何千年もの間に2人の関係が深まっていく様子が観れるんだ。

(お互いをサポートしたり、助け合ったりしてましたよね)

DT: その通り。

マイケル・シーン: あとね、個人的に僕は2人の関係、サブテキストに愛や絆なんかが汲み取れる瞬間が気に入っている。

言葉や表面には出されないし、2人とも否定するけれど、隠された部分が許されるギリギリまで表面化する場面が好きだね。

そういう場面をデイヴィッドと演じられた事ができてとても良かった。

バンドスタンドでの場面はいろいろな事がギリギリまで表面化する場面なんだけれど、楽しかったよ。

フレディが変えた世界。ブライアンとロジャーのインタビュー訳

ずっーと前から訳したいと思っていたインタビューです。

思うところがあって今日、合間に訳しました。

ロジャーが「何があっても彼に味方する。もう彼は自分をかばえないんだから」と言ったテレビ番組でのインタビューの後半部分です。

(前半部分は訳されている方がいらっしゃったようですので)

なかなか自分の納得できる言葉になっていない部分もあるのですが、能力不足です。ごめんなさい。先に謝っておきます。

8:10あたりからです。

(フレディの死がテレビや新聞などのセンセーショナルな追悼文だけで終わるとしたら残念すぎますよね。何かもっとあるべきですよね。)

ブライアン: もっともっとある。たくさん伝えるべき事もある。ここ数日で世界中からたくさんの愛が注がれているのを感じている。 フレディは世界を変えたし、彼の死も世界を変え始めたと思う。

まずこのボヘミアン・ラプソディのレコードは彼を追悼し、再リリースされる。全ての収益金はエイズのチャリティに寄付される。

ロジャー: このレコードは両A面で、もう一つの曲は (These are the) Days of Our Livesで僕たちが作った最後のミュージックビデオで、歌詞にも良い繋がりがあると思う。

(Show Must Go On という曲もありますが、やはり意図的にそういう意味が含まれていたのでしょうか?)

ブライアン: 振り返ると、ここ数年そう思える曲は多くあると思う。でも1つだけでなく、様々な意味合いが含まれてもいるんだ。

(彼が世界を変えた、というのは大げさでは、という人々もいると思いますが、どう答えますか?)

ブライアン: 1つの例を挙げれば、彼の存在がゲイである人々への人々の接し方を変えたという事だと思う。僕は本当にそうあって欲しいと思う。

彼の個人的な事だったから僕らにとっては今までは少し話題にしにくいことだった。

彼は強く、ものすごく才能があり、考えられるどんな面においても素晴らしく、そして彼はゲイである事もかなりオープンにはしていた。彼はゲイの人々への人々の考え方を変えたと思うよ。

それにもういい加減、時代は変わるべきだよね。

昨日新聞に ”誰々がゲイであることを認めた”、と書かれてるのを目にしたけれど、認めた、という表現をすること自体が中傷という罪を犯しているわけで、そんな事が何事もなかったかのように許させるのはおかしい。

僕たちはもう支援に回れるようになった。ゲイのためのヘテロ(同性愛者をサポートする異性愛者の意)とでも、何とでも呼ぶといいさ。

(バンドの仲間として、このような機会を何かポジティブな事に変換したいと思いませんか?)

ブライアン: たくさんのポジティブな事が起こっているよ。

ロジャー: 全くもってそれがフレディが望んだ事なんだよ。フレディは残された時間に自らの事を公表することがポジティブな何かに繋がる事を望んだんだ。僕たちもその意志を受け継いでいこうとしている。来年、彼の名前の元、何か大きなイベントを開催して多くの寄付を集めようと思っているんだ。

(リードヴォーカルにフレディなしのクイーンのパフォーマンスとなるわけですか?)

まあそうなるだろうね。

(どういう風にされるのですか?)

ブライアン: 詳しく考えてはないよ。僕たちはまだ悲しみの第1段階も乗り越えてないよ、想像できると思うけど。当面は今後の活動については棚上げして、今やらなければならない事をやろうと決めたんだ。

フレディは素晴らしいプラットフォームを残してくれたから、それを使ってエイズの基金を集められると考えている。多くの人にエイズを知ってもらうための啓蒙活動もできると思っている。今もこうして行っているようにね。

デイヴィッド・テナントの語るキルグレイヴ。

『グッド・オーメンズ』を観てから宿題をこなすようにデイヴィッド・テナントさんの作品を毎日観てます。

私はほぼ12thと11thドクターのシリーズしか観てなかったので、テナントさん演じる10thの『ドクター・フー』や『ブロードチャーチ』、さらには現在Dlifeで放送中のディズニーアニメ『ダックテイルズ』(テナントさんはスコティッシュアクセントを活かしたスクルージおじさんの声で出演)。

そしてわれらがNetflix制作のマーベルのドラマ『ジェシカ・ジョーンズ』。

『ジェシカ・ジョーンズ』でのテナントさんの役柄はかなりやばいサイコパスでしたが、愛おしくならずにはいられないキャラクターでした。特に9話を観た後には。

下記のキルグレイブという役柄についてのテナントさんの言葉を聞いたらさらにキルグレイブは愛さずにはいられないキャラクターとなりました。

(マインドコントロールできる役ですが、実際この能力を欲しいと思いますか?)

デイヴィッド・テナント: はじめは誰もがそう思うよね。周りの人々を従わせられる力。誰だって欲しいさ。

でもこの能力はその恵みと同じだけ呪いでもあるんだよ。

どうやって生きていけると思う?周りの人々の行為が心からのものなのかわからなかったり、普通の会話すらままならない日常。どうやって倫理観を手に入れられる?

(でも倫理観なんてヴィランには関係ないでしょう?)

彼は自分の事をヴィランとは思ってないよ。ヴィランと思われてる人物もほとんどは自分がヴィランだとは思っていないだろうし。

ドナルド・トランプだって自分がヴィランだとは思ってないだろう?(会場笑)

(訳注: 結構キルグレイブの本質に迫る話をしているけどちょっと司会者があまり真面目に受け止めてくれてないのを察して笑いもとったみたいに見えました。)

僕はね、彼は子供の頃から言葉にした事が実現されてしまう生活をしてきたから、何が正しいかそうでないかを学ぶすべがなかったのだと思う。

もちろん、彼は明らかに非難されるべき行いを犯している。けれど彼はそれすら理解できないんだ。彼は自分の能力の呪いに囚われた囚人なんだ。

2019/8/9 追記:

テナント: キルグレイブは世界的権力や国連を乗っ取る事や核ミサイル、もしくはアスガルド征服を望んでるような昔ながらのスーパーヴィランではないんだ。

何が恐ろしいかって、彼は自分の望む事を人にさせる事ができ、誰もそれを防ぐ手立てを持たないという事。

弁解の余地が無い彼を弁解すると、彼は自分が言ったから人がそうしてるのか、その人が自分で望んでそうしているのかの区別がつけられない。

彼が示唆するとそれは実現されてしまう。だから彼にとっては人が意に反して行動している事を理解するのはとても難しいんだ。

彼は自分の事だけを考えていて、普通の人間の事はよく理解出来ていないのではないかと思うし、人の気持ちを理解する事も出来ないのだと思う。

特に怖いのはたとえ、彼より強くても、彼より大型の銃を持っていたとしても、彼は心を支配し、全てのコントロールを奪ってしまうという点だよね。

僕自身は絶対遭遇したくはないね。

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テナントさんの出演する『ジェシカ・ジョーンズ』はシーズン1全話とシーズン2エピソード11です。

カタカナ表記について: Netflixの字幕ではキルグレイブなのでキルグレイブと打っていましたが、キルグレイヴの方が自然なので途中から変更しました。先に打ったものはそのままにしてあります。

キルグレイヴについてこちらも→

テナントさんのキルグレイヴ学 Study of Kilgravism